一時限目 数学

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「……その次の佐々木。昨日出してたP20の設問1、前に出て解くように」 俺かよ!! くそう、榊から逃げたなささやん! ほら、榊なんて舌打ちしてるし! 「別にいーけどさ…はいはい」 仕方なく前に出て設問1をとく。 もちろん課題とかもフツーにやってるから特に問題はなし。 「…と、はい、センセーできた。」 ノート片手にささやんの方をみると何やらしきりにうなずいている。 「佐々木。先生はお前見てると安心するぞ。榊の後だと特に」 俺の肩をぽんぽん叩きながら目頭を押さえるささやん。 榊の後にみたら誰だって安心すると思うけどな。 「やー、そんな感激されても」 「いや稀に見る普通の生徒…、この学校で久々にみたからなぁ。……先生はお前好きだぞー」 「そりゃどーも」 稀に見る普通で悪いかっ。 可もなく不可もなく普通が人生一番楽にすごせるんだって。 しっかし、褒められてるんだか貶されてるんだか、相変わらずささやんの言うことはよくわからん。 好きなら点数あげてくれればいーのに。
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