一時限目 数学

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「………榊、お前なぁ……月曜の朝から力の抜けるようなギャグはやめてくれ………」 その気持ちはよーくわかる。 今ほどクラスみんなの気持ちが一つになったことはないだろう。うん。 「ささやんサーセン」 榊は少しも反省してない。 そもそも反省とかいう字、多分榊の辞書にはない。 「俺だって一応先生なんだから敬意を払えよ榊。少しでいいから」 ずり落ちた眼鏡をなおしつつ、ため息をつきながらささやん。 一応とか自分で付けるあたり泣けてくる。 「へーい」 またもや敬意ゼロの榊に、ささやんは頭を抱えた。 あ、ささやんと言うのは数学の先生。 『笹原やくも』だからあだ名がささやん。 こないだ教育実習を終えたとかでまだ若い。 まあ、若いっつっても25だか26だか? だから、ぴちぴち(古ッ)の16歳の俺らにしてみればオッサンには違いない。 「まあいいか。他の先生ん時は気を付けろよ?」 「もち大丈夫」 こんな性格だからか、てきとーに見えて意外に授業が丁寧だからか、生徒には結構好かれてる先生だ。 まあ、恐くないしヘタレっぽいからナメられまくりだけど。 「さ、気をとりなおして授業はじめるぞー。じゃあ…日直は榊だから……榊か…」
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