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とはいえ、制圧が完了したのが3日前、ゲリラ化した日本兵が未だ山口県内で小規模な抵抗を続けている。
危険度が下がったとはいえ、完全に安全とは言い切れないのだ。
いや、このご時世、日本には安全な場所など無いのかもしれない。
事実、大都市はいつも危険と隣合わせである。
戦時中なので、それも仕方ないのかもしれないが――
日本と新日本連合――元々1つの国が2つに分裂したのも、日本国の政治が、国民の意見を聞かずに1人歩きをしたせいだ。
いや、もしかしたら、国民が政治に無関心になってしまった結果なのかもしれない。
だれが本当の悪なのか――それははっきりしているようで、はっきりしていない。
そんなことを考えながら夏実は暗闇を睨む様に銃口を向けていた。
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