641人が本棚に入れています
本棚に追加
「いえ…何でもないです」
震えを堪えて、麻生から視線を逸らした。
連絡事項を伝えると、麻生はすぐに教室から出て行った。
いつもは、質問はないか等聞くのだが、それすら聞かずに行ってしまった。
「はぁー…」
1時間目の化学の準備をしながら、莉奈から回ってきた手紙を読み返した。
痴漢ジジイの落書きをデカデカとかいて、その下にこじんまりと充の番号とアドレスが記載されていた。
赤外線通信の方が早くて確実なのに、わざわざ書いて寄越したのは、ジジイの落書きを見せたかったからだろう。
最初のコメントを投稿しよう!