嵐は突然やってきて

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「いえ…何でもないです」 震えを堪えて、麻生から視線を逸らした。 連絡事項を伝えると、麻生はすぐに教室から出て行った。 いつもは、質問はないか等聞くのだが、それすら聞かずに行ってしまった。 「はぁー…」 1時間目の化学の準備をしながら、莉奈から回ってきた手紙を読み返した。 痴漢ジジイの落書きをデカデカとかいて、その下にこじんまりと充の番号とアドレスが記載されていた。 赤外線通信の方が早くて確実なのに、わざわざ書いて寄越したのは、ジジイの落書きを見せたかったからだろう。
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