#0 暗黒の森に潜むは暗黒

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 私とレイの職業“ハンター”は、内容は大体名前を見てわかると思うが非常に危険な仕事だ。そのため、楯まではないにしても、鎧やプロテクターは生命を守るためになくてはならないものとなる。  『血塗られた閃光』と称され、人間離れした戦闘能力を誇るレイでさえ、簡易な鎧を装備しているのだ。  いくら私が強かったとしても、命に関わることなので鎧は必要となる。  そう――私も嘗ては鎧を纏っていた。見る世界も、そして心も、すべてを覆い隠すような漆黒の鎧を。  私の瞳に光が宿った時、その鎧は砕け散ってしまったが。  思い出すには、まだ痛みを伴う思い出だ。 「私は――」 「どうでもいいだろ。そんなこと」  正確な理由を話したくなかった私を、打って変わって落ち着きを払った声がすくい上げる。 「で、でもよ」 「お前には関係ないことだ。黙れ」  前を向いたまま独り言のように話すレイは、どこか有無を言わせぬ力があった。この私でさえ、はっとさせるほどだ。  レイは時々、こんなふうにらしくもない言動を発するときがある。  過去を探ろうとする人間を毛嫌いするようだ。  まるで、自らの過去を消し去ろうとするかのように――。
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