#0 暗黒の森に潜むは暗黒

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 既に私たちは、セバスチャンの隠れる林から半円を描くように囲まれている。地上にいる悪魔はおよそ20体。地面の下には何体かのストラ。戦力になるのは私とレイの二人で、セバスチャンはどうやら腰が抜けているようだった。  見てわかる通り、何の問題もない。 「こいつら、俺たちが力尽きるまで相手する気だぜ?」 「それは嬉しいな。心躍る気分だ」  好みでないやり方だが、ここは突っ込むのが得策だろう。  バンキートだけならばともかく、ストラは距離を取っていればこちらが不利だ。  なぜなら、彼らは中級悪魔からの特権、“魔術”を使ってくるからだ。  魔術とは、この世の理をねじまげ、あらゆる自然現象を起こさせて攻撃する悪魔の技である。直撃すれば死は免れない。魔術を使う相手と戦う際は、使われる前に殺すのが鉄則なのだ。  まぁどうにしても、これくらいの敵ならば少なくとも死ぬことはない。問題はセバスチャンだ。  私は顔半分だけ林の方に振り返った。
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