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竜の王ベヒーモスは、薄く微笑んだ。
『生まれ変わって会うとしたら、我々はどんな姿なのだろうか』
土の巨竜ヒミンフリュートは、厳しい顔で遠くを見た。
『もしかしたら、敵かもしれん』
竜の王ベヒーモスは静かに頷いた。
『その可能性もある』
『そうだとしたら、お前はわしを殺せるか? ベヒーモスよ』
『殺せるさ』
竜の王ベヒーモスは、土の巨竜ヒミンフリュートの瞳を、何も映すことのない瞳で見すえた。
『だがそれは、哀しい未来だ。“戦友”よ』
『わしには、そうなるような気がしてならん』
『恐いか?』
『恐い』
竜の王ベヒーモスは、天空を見上げた。
『ならばその時、我はお前のために泣こう。お前のためだけに』
『泣く…か。わしはいい“戦友”を持ったよ、ベヒーモス』
竜の王ベヒーモスは、また笑った。
『我のことはバハムートと呼べと言っているだろう。お前にはその権利がある。そうだろう? 我が“友”よ』
土の巨竜ヒミンフリュートは、静かに俯いた。
『ああ…』
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