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アースガルド大斜樹海。
その名の通り、アースガルド大陸を斜めに割るように拡がる、恐ろしく巨大な森だ。
数万種類もの動植物が生息しており、競い合うようにして伸びた草や巨木が、夜であろうと昼であろうと常に暗い森を形成している。特に熱帯というわけでもないのに驚くほど深い森は、大精霊イータの加護があると言われている。
しかし実際は現存する地獄である。似たような道が続き、コンパスの使えない異常な磁場を持っているため、毎年遭難者が絶えない。
そして遭難者のほとんどが、生きては帰れないのだ。山岳警備隊が存在しないから、というのもある。だが本当の理由は他にある。
まぁそのうちわかるだろうから、あえて説明はしないが。
その危機感溢れる森を力強く踏みしめて歩くのは、3人の男だ。
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