#0 暗黒の森に潜むは暗黒

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「誇り高き“ハンター”である私が、誰のせいでこんな案内のかわりに護衛など、何でも屋のような仕事をしていると思っている?」 「さぁな。人助けもたまにはいいだろ。思いやりってやつを知った方がいいぞ」  レイはそれだけ言うと会話を打ち切るように正面に向き直った。  知るのはお前だ。馬鹿が。  私は胸の内でうねる熱い何かを、真紅のマントを殺気を込めて睨みつけることで押さえつける。  人のふり見て我がふり直せ、と言う言葉を知らないのだろうか。  いや、知らないだろうとも。 「ずっと思ってたんだがよ」 「なんだ」  故に、唐突に切り出したセバスチャンに応える私の言葉は、思ったより冷たくなってしまった。  セバスチャンは私の口調に少し仰け反りながら、言う。 「お前さんの恰好はまるで普段着だが、鎧かプロテクターは着なくていいのか? まさか有名なお前さんが金がねぇって訳じゃねぇだろ?」 「…おまえに言われたくはないがな」  私は半眼で反論しながら、どうしたものかと考える。
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