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羽の力で加速し、高速でダイブ!
「目覚ましスーパードローップゥ!!」
ドスンッ
「!!!??????」
強烈な一撃が突き刺さり、ねぼすけが跳ね起きる。
「ふぇ!? なに、なに、あっ……いたたた……あれ?」
お腹の痛みに押さえると、柔らかい感触があって思わず覗き込んだ。
「ル、ルルちゃん?」
「おはよー、みゆっち」
「うん、おはよう。あれ、なんでルルちゃんが?」
「マスターが起こしてきてって」
みゆっち-九条みゆは寝起きで頭が回らないままとりあえず時計を見てみる。
ぼーっと長針と短針の指す数字を読むと、
『ただいま午前8時をお知らせします』
頭の中に時報のアナウンスが流れた。
「ふぇええええええええ!?」
所変わって一階。
「あら、起きたみたい」
「だね」
結城悠真はクスクスと笑う声に釣られて笑みをこぼした。
「ふふっ、ルルちゃんたちはお利口さんね~」
楽しそうに朝食の準備をする母親-美麗の姿を眺めながら、悠真はお気に入りの朝コーヒーを飲む。
(ま、何か悪戯してたみたいだけどね)
妖精姉妹との使い魔契約で得た感応能力でルルが何かしたらしいことは気づいていたが、特に空気が悪くなっている様子はないのでおいておく。
みゆは幼なじみで、聖壌学院への入学を期に居候している。
小五のとき先に悠真たちがここへ引っ越してきていたから、実に五年ぶりの再開だった。
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