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悠真たちが学院へ向かった後、居間には膨れっ面で座り込むルルが残っていた。
「みゆっちのばか、みゆっちのばか、みゆっちのばか、みゆっちのばか………」
「あらあらルルちゃんってば。すっかりむくれちゃって」
そして楽しそうに眺める美麗。
「だってみゆっちが来るの遅いんだもん」
足をパタパタさせてむくれる様子もまた可愛くて、美麗の中に愛着が膨らんでいく。
ともすればぎゅーっと抱きしめてしまいたくなるくらいに。
ちなみにいつもしてるんじゃないか、と言われればそうなのだが。
「ぜったいみんなで楽しいことしてるに決まってるもん。……むぅ~」
自分で留守番をすることを選んだのだが、ルルにとってはそれだけバスが嫌。……でも、だからといって仲間外れにされるのも嫌。
ルルのその気持ちが分かるから、美麗はふと頭に浮かんだアイデアを口にする。
「あら、だったら私とデートしましょうか。家にずっといてもつまらないでしょ?」
その提案にルルがぱっと顔を上げた。
「え、本当? 今日は“おしごと”はないの?」
こう見えて美麗は若者向けの恋愛小説を書く小説家だ。締め切り前にはいつも書斎に籠もりきりになって家事が手につかなくなったりするのだが、幸い今日はその予定はない。
「そうよ。だから今日はいっぱい楽しみましょうね」
パチッとウインクで返すとルルの顔が喜色満面になった。
「やったぁ! ミィちゃん大好きぃ!」
* * * *
一方。
悠真とみゆ、エルの3人はバスの中でゆらゆらと揺られていた。
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