サカナ

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外はいつもと同じネオン色。 それなのに深呼吸したら、星に手が届くような気がした。 あたしはきっと明日からも上手に泳いでいける。 水のないこの渇いた空気の中を、サラサラと。 あたしはちっぽけで汚らしい動物。 けれど捕らわれると、とても素直で従順になる。 誰かに水分を分けてあげられる。 そう思いながら、あたしは人混みの中にゆっくりと混じっていった。  
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