プロローグ

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プロローグ

『深き者共――やつらは陸上において然したる脅威にはならず。動きは鈍重にて事隠行には向かぬ故居場所を突き止めることも容易である。されど貴奴らの一番の驚異はその数と水のある地域にはほぼ住み着いている適応性の高さである。 貴奴らの信奉する神、クトゥルーの落とし仔であるが初めから深き者共として産まれ出る訳ではない。誕生から青年期に至るまで極普通の人間として生活するがある日を境に身体が変化を始める。これが始まってしまうとまず海に向かいたいという欲求が強くなる。 さらに身体の変化は続き顔は魚としか言えぬ様に変貌し身体には鱗が、手足には水掻きが存在するようになる。ここまで来てしまうと自身を人間だとは認識せず深き者共として認識するようになる。また海に対する欲求は押さえられない程強烈になり何としても海に向かおうとする。貴奴らは異種族との混血を好み―――』 ここから先は損傷と汚れが酷く読み取ることが出来ない。
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