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それから家に帰った。びしょ濡れのぼくを見て親も心配していたが適当に笑顔で振る舞った。でももう限界だ。光の消えた世界にはなにも見えない。
もう無理だよ。帰りに購入してきた睡眠薬、自分の部屋に戻る。
「死んで償うからな洋子、一人で寂しい思いはさせない。」
母に手紙を書いた。
ー15年間お世話になりました。先立つバカ息子を許せなんて言わん、ごめんなさい。ー
死ぬことなんて怖くないさ。あの時はそう思っていたよ。
暗い部屋の中、目を閉じる。
「ゆうちゃん❤」(もう前作でゆうと書いたのでぴりちゃんではなく名前晒します。)
この部屋でも洋子と過ごした思い出が溢れてくる。
ビンに入った睡眠薬全部を取り出す。雷が鳴る豪雨の夜に死を決めた。
「今、逝くからな…」
さよなら。我が人生。生まれ変わったらまた巡り会いたいよ。
ぼくは睡眠薬を飲み干した。
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