自殺の理由

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色のない空。綺麗な川と向日葵に囲まれた静かな場所にぼくはいた。 「ここは?」 なんか視界がぼんやりする。それにしても綺麗な所だな。 なんか解らないけど川の向こう側に行かなくちゃいけないような気がしてゆっくり歩きだそうとした… 誰か人の気配を感じた。振り返ったら洋子がいた。白いワンピース姿だったのを覚えてる。あんな服見たことなかったが。 「洋子…洋子なんか?」 涙が瞳から止めどなく零れ落ちた。洋子を抱きしめた。 「会いに来たよ洋子?」 でも洋子は笑ってたけどなんにも喋ってはくれなかった。 「何で何にも喋ってくれないんだ、会いにきたんだよ??一緒にあの向こうへ行こうよ?」 それでもなんにも言わないで、ただ笑ってこっちを見てた。 ぼくは彼女の手を掴んだがびくともしなかった。
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