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逆に引っ張った反動で地面に尻餅をついた。でもやっぱり笑ったままでなにも話そうとしない。
「何で何にも言ってくれないんだよ?」
涙が止めどなく流れた。ぼくは君を思ってどれほどの涙を流せばいいんだろう。立ち上がって再び手を握って引っ張ってみるがやっぱり動けないんだ。
洋子に抱き付いて泣いた。
「一人にしないでくれよ、おれは洋子がおらんにゃどうしようもないんだ。一人は嫌だ、嫌だよ。なぁ??なぁ?なぁってば?」
笑ったまま何も言わないで頭を撫でてくれた。洋子の顔をよくみたら唇だけ動いてた。
聞こえいけど何故か理解することができた。
それはたった三文字の言葉。
「生きて。」
そしてぼくに笑顔で手を振った。それからその不思議な場所の映像は消えて暗闇の中洋子の声が聞こえた気がした。
「ゆうちゃんはまだ来ちゃだめだからね?洋子はいつもゆうちゃんの中にいるから…だから…生きてね」
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