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醜型恐怖症
私が貴方を終らせた時
心のバランスを失い
醜型恐怖症が理性を蝕んだ
今有る総ての苦しみが
罰だと云うのなら
傷付く術を教えて下さい
此の思考が止まる位の痛みを求めているのだと
鈍色の私は何度も嘯き
痛みを迎える度に罰の意味を喪った
滞る道に脅え
最期の刻を恐れる小心者
苛立ちと涙と殺した悲鳴
助けて とは云え無い
悲観的な自己愛者
彼の人の影を追わずとも 私は壊れたのだから
誰も好きには成れ無いと
「私が私を厭うたらどんなに貴方を想っても
愛することは総て無に」
私の心は渇かない
もう貴方は要らないと
過呼吸に成りながら嘯いて
酷く渇いた喉が軋み
私は又血を吐いた
拒絶の言葉を畏れ
孤独の闇を蹲う愚か者
鳴かぬ金糸雀、今だけは
言葉を持たぬ君達
眼の前の小鳥を愛そう
虚ろになり消えてゆくものもの
其れは最早孤高で美しいものに他ならなかったと
やっと気が付いて知った
『貴方を心底愛していた
私が小娘だった時が一番綺羅綺羅していたよ』
終演.
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