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  雨は嫌い。 嫌な思い出が頭の中をチラつくから。 でも、もっと嫌いなのは自分。 いつまでも過去の出来事をズルズル引きずって……前に進めない私自身。   『つまんねーの……』   そう言って、傘を私に無理矢理持たせると、シトシトと降る雨のなか走り去って行った元彼。 初めての恋で、初めての彼氏。嫌われたくなくて……頑張ったつもりだったけど。       「心?ぼへーっと間抜け面して大丈夫?」   そう言って、顔を覗き込んできたのはバイト仲間の由美さんだった。
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