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何故ここにいるんだろぅ ここに来て何が解決するんだろぅ 何故階段から突き落とされたのか 解らなかった時 「何におびえているの?大丈夫?」 と、聞かれて ただ首を横に振り続けていた そんなことより オーデションの一次選考に合格したのに 右肩骨折した自分を恨んだ 隠し通したくて 昴劇団の7月公演の新人オーデション二次選まで一週間 どうしても通りたいから だから病院に来てる場合じゃないんだ 鋼(はがね)は病院の待合室から去ろうとして向きを変えたとたん細身の医師らしい青年にぶつかりそうになった 「随分急いで、忘れ物かな?」 「いえ、何でもないです」 肩に付きそうな髪、切れ長の黒目がちの瞳が 女の子にも見えるが多分少年だろう・・・ 坂本勇介は、確か見覚えのある顔だと急ぎ足の少年が気にかかった 終業式も近づいた麻布高校は 1年c組の須藤鋼は事故ではなく先輩に階段から突き落とされたと噂が広がっていた B組の女子が鋼にバレンタインのお返しをもらったお礼に鋼をコンサートに誘った時「お返しは他の人にもしし・・・コンサートに行く理由ないし・・・」 断られた女子は教室で塞ぎこんでいたが その子に以前から気があった野球部キャプテンをしている先輩男子が何処から情報を得たのか、劇団新人オーデションの一次審査に合格している鋼にひどくむかつくという勝手?な理由で痛い目にあわせたと 周囲の好奇の目にさらされている日々も 鋼には蚊帳の外に感じられる 美少年騎士?というか侍の役なのに男女が入り混じってい て2次審査は鋼には異様な雰 囲気の緊張感が高鳴っていた 外は黄砂交じりの雨。。。 「俺の愛車が黄砂で汚れてる」 病室の窓から勇介は駐車場を見下ろして小さくため息をついた。
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