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戦国時代の潮の中で 乱世に飲まれていく。 武将に使え尽くしていくとき 家臣(少年)としてだけではなく そこに   芽生えていく 愛の軌跡。 その風貌から 2次審査のとき、目の前に 現われた 鋼にひとめぼれで すでに監督は他の応募者は 視界外だった。 松田可南子の演技力、見事なピアノ技術を ないがしろにできない状況になって 他の審査員に譲るような形で 最終的に 可南子も代役とし て残されることになった 「松田君、君も須藤君同様ぜんぶを把握していくように」 北島監督の指令に ふたりとも身震いするほどの 意気込みが全身を突き抜けていく。 「がんばろうね」 「鋼、この役はいつでも私という代役が狙っているんだか ら楽観してたらだめだからね~」 仲良こよしで挑戦していこうとしていた。 鋼の甘さを 叱咤するような可南子の発言 に一抹の不安を除外できない ながらも闘志が生まれてくる 鋼は良きライバルに笑顔で大きくうなづいて背筋を伸ばした。 ふたりとも高校生なので 稽古は夕方から行われる 主演の俳優は不満を隠せない が30歳をすぎてそろそろ代表 作で脱皮を試みているときの チャンスを逃すわけには行か ずその辺は妥協した。
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