1章 人並み以上

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幼稚園・小学校低学年時代、私は町内でもそこそこ有名人だった。 もちろん、町医者の孫として。 私個人の栄光ではない。 完璧に親の七光りならぬ『ジジの七光り』である。 幼稚園時代は園長先生が祖父の患者だったため、 小学校時代は校長先生が祖父の患者だったため、 偉い人が私に挨拶をしていく。 自分を勘違いするのにそう時間はかからない。 それに加えて、みずきちゃんは小学一年生でクラスでトップの成績ですと担任に褒められた祖母が有頂天になり また加えて、二年生の時に成績トップを維持した上 絵画コンクールで賞をとり、デカイ会場で表彰されたりして 私は祖母にとって、自慢の孫になった。 周りの様子を見て、益々調子に乗っていく幼き私。 思えばこの頃に性格が形成されたのではないだろうか。 何でも思い通りにいく自分。 友達も自分のことを一目置いているのも知っていた。 典型的なお嬢様気質になっていった。
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