2章 転落は突然に

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小学校三年生まで祖父の家で過ごした私。 その間も母は時々実家に顔を出していた。 母は同じ市内のニュータウンにアパートを借りて住んでおり、たまに遊びに連れて行かれた。 私はよく 「ほんまはあんた(みずき)と一緒に住みたいねん。でも、お母さんは収入が少ないからじいちゃんがあんたのこと引き取らせてくれへんねん」 と、言われていた。 だからお母さんは私と一緒に住みたいんやってずっと思ってたし嬉しくも感じていた。 収入が少ないから娘とは住めない。 祖父の提示した、母と私が一緒に住む条件… まず、母が実家に戻り祖父・祖母・母・私の四人で住むこと。 そしてもう一つは自分が結婚して所帯を持つこと。 前者は祖母が出戻りの母を毛嫌いしているので実現不可能。 残るは結婚。 実は既に千葉から大阪へ帰ってきた後、もう一度結婚して離婚し、バツ2になっていた母。 娘に帰ってきて欲しい祖父は、流石に三度目の結婚はないと思ったのかもしれないが… それが実現してしまった。
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