一頭との巡り会い

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しかし、バーニングハートはただ後退するのでは無く、まだしっかり先行集団に食らい付いていた。 他の馬は道中で溜めた力でこれからラストスパートをかける中、バーニングハートには体力等もう残っていない。 健次は一番人気のエルマックスの身体にピタリとバーニングハートを並ばせエルマックスと合わせる様に、バーニングハートを追った。 そして馬群に埋もれる中でエルマックスと目を合わさせる様に、バーニングハートの顔をエルマックスの顔に並べた。 グッとバーニングハートの首を抑え、バーニングハートに伝える様に健次は胸中で叫んだ。 (お前はこんな所で終わる馬じゃあ無いだろ。その闘志を見せてやれ) そしてバーニングハートがエルマックスと目を合わせた刹那の瞬間であった。
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