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『こんな凄い馬、俺が乗せてもらって良いんですか?先生』
レース前のトレーニングを終えその馬に跨がる、青年が馬を調教する調教師の元に行きそう聞いた。
『ご苦労やったな、健次。十分な合格点や。』
トレーニングを見て、満足そうに、青年にそう声をかける壮年の男性。
この馬を鍛えトレーニングをさせる調教師の速水豊である。
豊は、トレーニングで馬の手綱を取った若手騎手、速水健次にそうねぎらいの言葉をかけると更に言った。
『まぁ、戦績だけでなく気性がこの通りの気性や。思い通りに乗りこなせずに、さじを投げる騎手ばかりでな…。』
『そうなんですか?』
健次には信じられない言葉であった。
素質は間違い無く感じた。他の馬では今まで感じた事の無い圧倒的な威圧感と闘争心。
そしてそれは、勿論この馬の調教師である豊も感じている事であった。
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