一頭との巡り会い

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『お前もそろそろ、今の評価を上げたい頃やろうし、この馬でそれに挑戦しては、みんか?』 豊の願ってもない言葉に、健次は迷う事も無く二つ返事で首を振った。 『是非喜んで。僕の方がお願いしたい位です。ありがとうございます。』 健次はデビュー五年目の、若手騎手。 勝ち星は積み重ね続け将来も期待だけはされているがまだ重賞と呼ばれるレースには、手が届いては居ない騎手であった。 まだまだ、将来を有望視される素質馬を回して貰える程では無い健次に、豊はこのバーニングハートを任せた。 実績は至らないが素質は目を見張るモノがあるその馬を健次に任せた速水豊は、健次の叔父に当たるのだった。 身内ひいき等と言われるかもしれない。 しかし素質は有るが、気性が仇となり乗り手が見付からずに甥っ子である健次に任せたのだ。
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