第一章「幼い記憶」

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「ありがとう、今お茶入れて来るわ」 そう言い残すと蝶華は部屋を出て行った。 入れ違いに俺が部屋に戻った。 「母さん、なんか変な事言ってなかった?」 「大丈夫。ただ…」 「ただ?」 「貴方の友達になって欲しいとは言われたわ」 「…」 余計な事を 思わず苦笑いした。 「やっぱり変な事言ってたみたいだな」 「私は嬉しかったわ?」 「え?」 「貴方のお母さんが…私を普通の女の子として見てくれたから」 「…多分気付いてないと思うよ。母さんは鈍感だから」 「そうなの?」 「あぁ、でも…」 俺は少しだけ照れくさくて、鳥香から視線を逸らした。
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