16人が本棚に入れています
本棚に追加
「さてさて、私は夕飯の準備をしないと」
そろそろ父さんの帰って来る時間だ。
蝶華は夕飯の準備をするために立ち上がった。
「あ…そろそろ帰ります」
鳥香が慌てたように立ち上がる
それに気付いた蝶華が微笑んだ。
「ゆっくりしてて大丈夫よ?なんなら夕飯食べてく?」
「大丈夫です…両親も心配するので」
「そう。ならまた遊びにきてね」
蝶華はお土産にとラッピングされたクッキーを鳥香に手渡した。
「せっかく紅羅が初めて連れて来た友達なんだし」
「は、はい…」
「紅羅、鳥香ちゃんを送ってあげるのよ?」
「わかってるよ。行こう?」
「う、うん…お邪魔しました」
「またね。鳥香ちゃん」
蝶華に見送られながら俺達は事務所の扉を開けた。
「ただいま…」
「あ、父さん」
同時に事務所に帰ってきた人物
それは俺の父親の月花 歌鏡だった。
「紅羅、友達を連れて来るなんて珍しい…」
鳥香の姿を見るなり、歌鏡の目が驚きで見開かれる。
心なしか鳥香の顔も青ざめている。
最初のコメントを投稿しよう!