第一章「幼い記憶」

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「そっか…鳥香ちゃんの願いは叶った?」 「叶わない…そう思ってた。けど紅羅に会えた。紅羅は私と友達になって欲しいって言ってくれた」 「うん」 「すごく嬉しかった。さっきは人間は怖いって思ってたけど…」 「怖いよ。人間は」 「え…?」 「紅羅は特別だ。あいつには俺と蝶華と同じように力があるから」 そう話す歌鏡の声は淡々としていて、何の感情も込められていなかった。 「けど全てが紅羅のようにはいかない。今回は運がよかっただけだよ」 「…」 「夜都さんが言った事は間違いではないよ。人間界は君達を受け入れない…受け入れられないんだ」 歌鏡の声が悲しそうに響く 「俺は君も分かってると思うけど退治屋だ。例え君の仲間でも人間に危害を加える妖怪なら手加減しない」 「…」 鳥香の動きが止まる
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