第一章「幼い記憶」

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君と初めて会ったのは まだ幼かった時 公園にぽつりと立った君 何故か泣きそうな顔をしていた 「どうしたの?」 思わず声を掛けた 振り返った君は何故か驚いていた。 「貴方こそどうしたの?怪我だらけだよ」 「あぁ…」 俺は小さく苦笑いして、服に付いた埃を払った。 それは近所の子供に仲間外れにされ、いじめられた後 「俺は化け物なんだ。だから追い払われたんだよ」 「…」 少女が悲しそうに俺を見つめる 「もう慣れたけどね」 俺は人間ではないものが見えた。 幽霊とか妖怪とか… 普通の子供には見える訳がない 当然、異端と呼ばれるには時間が掛からなかった。 近所で俺に近付く者はいない むしろ格好のいじめの標的だ。 石を投げられ、殴られ蹴られる すでに慣れてしまってはいるが、時々この力を生まれ持った事を恨みたくなる。
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