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それから数分後
「これが…貴方の家…?」
彼女が不思議そうに呟くのも無理はないだろう
俺達の目の前にあるのは一件のビル
「ここの中にあるんだ。父さんが事務所をやってる」
「事務所…」
「とにかく怪我の手当てをしないとね」
俺は事務所のある部屋へと向かう
「おかえりー紅羅」
中から現れたのは一人の美しい女性
真っ白な肌に長い漆黒の髪
俺を産んでもその若さと美しさは変わらない
「ただいま、母さん」
月花 蝶華、それが母の名前だ。
「紅羅…?」
「あ、名前言ってなかったね?俺は紅羅って言うんだ。君は?」
「神威 鳥香…」
「鳥香か、可愛い名前だね」
「あ、ありがとう…」
「それより母さん、彼女の手当てをして欲しいんだ」
「え?あら、大丈夫?」
すぐに気付いた蝶華が鳥香をソファーに座らせる
「救急箱を取って来るから少し待っててね」
蝶華が慌てたように部屋を出て行く
「…」
鳥香は先ほどから不安そうに辺りを見ていた。
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