3年生の一日目

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私はうんざりして顔をあげる。 多分きっと、毎年恒例の“あれ”だろう。 「ねぇ、春日さんて晴野くんと仲良いんだよね??紹介して!!!!」 ほら、やっぱりね。 この人達みたいに直球ならまだいい。 でも中には晴野と近づきたいがために私と仲良くなろうとする人がいる。 最初は友達がたくさんできたことに純粋に喜んで。 実は“私自身”と友達になりたいと思ってくれたわけじゃないことに、何度悲しんだことか。 だけどその人達全員と親友になることより、晴野が幼なじみであることの方がずっと大事。 だから、私はもう悲しんだりしない。 彼女達にイライラしつつも、にっこり笑って私は答えた。
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