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「紹介したって晴野は仲良くなんないよ。だから自分で仲良くなって??」
とたんに、彼女らの中の一人が文句を言う。
「えー、無理だよぉ。恥ずかしくて話しかけらんない」
「大丈夫、晴野は誰にでも優しいから」
私は事を荒立てたくなくて穏やかにそう言った。
しかしこの言葉は逆に彼女らのかんにさわったらしい。
「自分は特別に仲良いって言いたいのかよ」
「本当は晴野くんを独り占めしたいだけなんじゃねぇの??」
………やばい。
むかつく。
思わず「穏やかに」なんて忘れて怒鳴りそうになったそのとき。
「紗良ちゃんを悪く言わないで」
なぁこの必死な声がその場に響いた。
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