自慢の幼なじみ

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それからどんどん深くなる想いを心のうちに秘めておくことが苦しくなり、5年間の片想いを経て中学校3年の秋に告白した。 でも結果は見事玉砕。 私は、年を取ってもばかなことで笑い合う、そんな相手なんだって。 つまりは友達以上に見れないってこと。 正直すごくショックだった。 私以上に晴野と仲良い女の子なんていなかったから期待してたのもあったし、晴野が私と同じ想いを抱いてくれないという現実を突き付けられたから。 一週間、泣いて泣いて泣きつづけた。 その間晴野はあえて私に近づこうとしなかった。 これも彼の優しさだったんじゃないかな。 きっかり一週間泣き続けたあと、私はやけにさっぱりした想いで立ち直った。 晴野は私と「別れ」の可能性のある関係になるのが嫌だったのだ。 お互い結婚して、子供ができて、年を取っても笑い合っていたい、そう言ってくれていたのだ。 それに気付いた私は気恥ずかしいながら一週間後の朝、晴野に「おはよう」と話し掛けた。 そのとき見せてくれた笑顔以上に素敵な晴野の笑顔、みたことない。 ああ、このままでいいんだ、って思った。 それから私たちは幼なじみとして仲良くやっている。
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