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健太の家では未だにサンタクロースを肯定、いや否定をしていなかった。
いるともいないとも敢えて話をすることでもないため、そのままになっているのだろう。
夢が否定され、現実を見てから信じるからこそ夢とどこかの偉い人が言っていたような言わなかったような。
健太は改めて夢を見ている少年であった。
それはクリスマスイブの夜には小学生4年であっても
大きめの赤い靴下を枕元に置く行為に一番表れている。
期待からではなく、めでたい慣習を疎かにしない心から生まれた行為だろう。
今年のクリスマスイブも赤い靴下をつま先からしっかりと揃え、少しだけ履き口を広げて枕から少しだけ離れた場所に置いて眠りにつく。
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