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確かにかなたさんの話は気の毒だ……
自分に何ができるかわからんが、何とかしてあげたい!
それに……
かなたさんは涙目で俺を見ている。
「……わかった。親父、かなたさんをここにおいてやってくれ!頼む!」
俺はありったけの勇気を振り絞りそう叫んだ。
「流星さん!?本当にいいんですか!?」
かなたさんは信じられないといった表情をした。
「はい!そんな身勝手な理由で結婚なんて俺もムカつきます!かなたさんは居たいだけ居てもらっていいんです!いいだろ、親父!」
すると、親父は膝をパンと叩いて言った。
「よく言った流星!それでこそ漢だ!ただのヘタレ愚息じゃなかったな!俺は流星の育て方を間違って無かったんだな!母さんも喜んでんぞ!」
そう言って嬉し涙を流す親父。
あの母さん生きてますよ…死んだように言わないで…
会社の都合で海外出張してるだけだから。
「ありがとうございます!流星さん!お義父様!」
満面の笑みを浮かべて頭を下げるかなたさん。
「さて、母さんに電話で報告してやるか!流星、お前は客用の布団だしとけ!かなたさんはゆっくりお風呂でも入って下さい」
「あいよ」
俺は布団を出そうと立ち上がる。
「いえ、私が一番最初に入る訳にはいきません!お義父様か流星さんが入るべきです!私がその間に寝室の準備をいたしますので!」
かなたさん、貴女ホントは宇宙人じゃなく、過去の日本からタイムスリップして来たんじゃないですか…
考え方が江戸明治や
それを聞いた親父は笑い飛ばした。
「ワハハハ!よほど厳格な家柄なんですな!うちはそんな事気にする必要はないですよ!でも、こんな女性まだ日本にいたんだな~羨ましいよ流星。幸せにしてやれ!」
まあ、母さんがアレだからな……
親父が羨ましがるのも無理はないな……
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