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弱ったな、まったく言葉がわからない。
「あ、あの、自分が言ってる事わかりますか?」
まるで初めて外国言った日本人が、現地の人に道を聞くような台詞を言ってみた。
「?」
だが、女の子は首をかしげたままだ。
どうやら、女の子の方も俺の言葉がわからないらしい。
完全にどうしたらいいかわからなくなってしまった。
こりゃ、本気で困った事になったぞ。
この娘に聞きたい事は山ほどあるが、言葉が通用しないとなると、話が聞けない。
この娘はさっき頭を打ち付けたショックで記憶喪失になり、言葉を忘れてしまっているとか?
となってくると、この娘を連れて警察に向かうべきか?
でも、突然空から人が降ってきたなんて言って信じてもらえるのだろうか?
そんな事を考えていると、突然、女の子は何かを思い出したかの様な顔をして、手をポンと叩いた。
「ど、どうしたの?」
俺はしゃがみこんでいるその娘に、目線をあわせるように自分もしゃがみこんだ。
その娘はじっと俺見つめると、ニコッと笑みを浮かべた。
その笑みに思わずドキッとしてしまう。
今まで女の子にこんな間近で、こんな顔をされたのはなかった為、免疫の欠片もない。だから、そのくらいでドキドキしてしまう。
だが、次の瞬間、そのドキドキを遥かに凌駕する出来事が起こった。
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