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女の子は俺の両頬に両手を添えると、目をつぶり、ゆっくりと顔を近付けた。
「えっ!?」
まさか……と思った瞬間、俺は女の子にキスされた。
しかもディープで……
突然の出来事に、頭中が大パニックになり、すぐに離れようとするが、女の子の両手に込められた力が物凄く、いくら顔を引っ込め様としても、振り払おうとしても、女の子はずっと俺にキスした状態を保ち続けていた。
一体、この細い腕の何処からそんな力がでるのだろうか?
だが、今はそれどころじゃない。
俺の彼女いない歴=年齢
すなわち、キスなんかした事もない。
それを、突然奪われた。
それも、ついさっき訳のわからない出会い方をしたばっかりの名前も知らない女の子にだ。
しかも、ムードもクソもない、こんな山の中でだ。
まあ、その娘がとびっきりの美人だったからいいが。
て、そんな馬鹿な事を考えている場合じゃない。
何で、この娘はこんな事をしているんだろう。
てか、いい加減離して下さい。
だんだん息苦しくなってきた。
そう思っていると、女の子はゆっくりと俺の唇から自分の唇を離して、手もそっと離した。
俺は女の子から解放された瞬間に女の子から距離をとった。
「な、な、な、な、な、なにすんねん!」
俺は顔を真っ赤にして、思いっきり動揺しながら叫び声を上げた。
女の子は少しトロンとした目をしながら、ゆっくりと口を開いた。
「ふう……突然、失礼しました。でも、これでちゃんと話せますね♪」
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