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「こんな手で勝たせてもらえたからですよ」
青年の手は一切、役が出来ていない
「本当はもっとフォルドを繰り返してやりたかったけど…まぁゲーム数も限られてるしね。悪いけど勝たせてもらうよ」
女は青年の笑みを見て気付いた
手玉に取られたのは自分だと
そしてわざわざ役の無い手札を見せてまで青年がしたかったことに腹が立った
「私を馬鹿にしたわね?」
「お姉さん、ポーカーに向いてないかもよ?感情を出しちゃ手札が丸見えだ」
女はディーラーを睨み付ける
早く次のゲームを始めろと言う合図だった
「レイズ五枚」
「コールよ」
女は迷わずに答える
「オレ、手札変えないから」
「私は二枚よ」
女が手札を変えたのを確認して青年がチップをさらに重ねた
「レイズ、三十枚」
それを見て女は笑った
「そんなハッタリが二度も続くと思うの?」
女も同じようにチップを重ねる
「コール!三十枚よ!」
女は先に手札を見せる
「ストレートフラッシュよ。貴方に勝ち目はないわ」
青年は困った顔を見せた
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