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「ホ-レンソ-?」 向かいのデスクからカタコトでつぶやく、新人っぽさが抜けない新倉さんに視線を向ける。 「そう、ほう・れん・そうって新人研修で習わなかった?」 「エー………っと、習ったカモ?」 茶色くウエーブのかかった髪を手でさわりながら言った半疑問系の言葉尻に、やや落胆する。 最近の若いモンは…なんて、こぼしていた部長の気持ちに同感を覚えつつ、動かしていた手を止めて、早口で説明する。 「報告、連絡、相談、の頭文字を取って、そういうんだよ。仕事や上司に対しての基本姿勢。」 俺の説明に新倉さんはメイクで強調された大きな目をパチクリさせながら、 「ヘェー…」 と呟いて、後ろを通った人影に振り返り、別の話を始めた。 「あっ!飯野サン! 午前中に頼まれていた見積書なんですけどぉ……。」 俺のアリガタイ説明はスルーかよっ! と、心の中でツッコミをいれつつ、止めていた手を再び動かし始める。
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