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僕はキミの車椅子を押し
病院の中庭の
まだ蕾もなってない桜の木を見つめる
ただ時間だけが過ぎる
“幸せになって”
キミからの5つ目の
お願いをされた時
車椅子のハンドルを
強く握りしめたまま
2人で幸せになろうと言った僕
充分 幸せだったと言ったキミ
また涙がでてきた
そしてキミの目からも
キミが人に頼らなかったり少し距離を置いてたのは
深く人に関わって
“生”
にすがり付くの気持ちを
少しでもなくそうとする
キミなりの 頑張り方だったのに僕は
キミの意思を意図も容易く壊してしまった
それなのにキミは僕を攻めることをしなかった
どれだけ僕はキミに迷惑をかけていたんだろう
自分の涙を抑えるのに必死で
キミの涙を拭ってあげられなかった
それほどあの時の僕は無力で
ただただハンドルを
強く握りしめ泣くしかなかった
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