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「小さいときの有紀さん見たいな。アルバムとかないんですか?」
「ないよ。小中高って全部捨てちゃった」
過去の事を思い出したくなくて短大に入った時全部燃やしてしまったのだ。
「もったいない。小さいときの有紀さん可愛かったと思うのに。有紀さんはどんな子供でした?」
「普通だよ、普通」
答えてからも智也はしつこく色々な事を聞いてきた。
「もういい加減にして!!」
気がついたら叫んでいた。
「わたしはもう過去を捨てたの。だから思い出させないでよ」
「ごめんなさい。でもそんなつもりじゃ…」
「いいからほっといてよ」
もう何も聞きたくなかった。
智也を見ると悲しそうな顔をしていた。
「寝るから」
そう言うと部屋に入りベッドにもぐり込んだ。
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