711人が本棚に入れています
本棚に追加
後に残された借金は父の保険と家を売って返した。
高校3年にして両親と家を失ったわたしに残ったものは、高1の妹、春香と中2の弟、大介だけだった。
わたしたちは母の妹家族に引き取られた。
春香と大介はすぐに新しい生活に慣れたようだったが、わたしはなかなか慣れなくて高校に通えない日々が続いた。
そんなんだから中学の時から目指していた国立大学には行けず、たいして行きたくない短大にいった。
そこからだ、こんな人生に足を踏み入れてしまったのは…。
「あ~ぁ、やんなっちゃうな」
パサパサのコロッケを食べながら一人グチる。
わたしの毎日なんてグチらないとやっていけない。
夕飯を食べ終わるとテレビを消してお風呂に入る。
そして寝る。
それがわたし、野田有紀の毎日…。
最初のコメントを投稿しよう!