わたしの憂鬱

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後に残された借金は父の保険と家を売って返した。 高校3年にして両親と家を失ったわたしに残ったものは、高1の妹、春香と中2の弟、大介だけだった。 わたしたちは母の妹家族に引き取られた。 春香と大介はすぐに新しい生活に慣れたようだったが、わたしはなかなか慣れなくて高校に通えない日々が続いた。 そんなんだから中学の時から目指していた国立大学には行けず、たいして行きたくない短大にいった。 そこからだ、こんな人生に足を踏み入れてしまったのは…。 「あ~ぁ、やんなっちゃうな」 パサパサのコロッケを食べながら一人グチる。 わたしの毎日なんてグチらないとやっていけない。 夕飯を食べ終わるとテレビを消してお風呂に入る。 そして寝る。 それがわたし、野田有紀の毎日…。
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