いつもの風景

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始業の30分前になると続々社員がやってきた。 この会社では仕事を始める前に朝礼をする。 部長のありがたい話を聞くのだ。 わたしの部署は全員で40人ほどいる。 その中で女社員ははづきと茜とわたしの3人。他全員男だ。 一番後ろに並んでいるわたしは部長の話を右から左へ受け流しながら前に並んでる男性社員を見る。 ハゲ、ちょっとハゲ、見るからにメタボ、見渡す限りそんな男ばっかり。 それもそのはずこの部署の平均年齢は42才なのだ。 ーはぁ、本当ヤダ。 思わずため息が出る。 何て夢のない会社なんだろう。 こんな中で一日仕事していると思うとゾッとする。 自分にもオヤジ臭が付いてしまうようで…。 アナウンサーになっていたらもっと華やかな現場で働けてただろうに…。 気がつくと部長のありがたい話は終わっていたらしい。 みんなが次々と机に戻っていった。 「野田くん、今日も熱いお茶頼むよ」 部長はいいながらわたしのお尻をさわり自分の机に戻って行った。 ーこんな会社辞めたい!! いつもそう思うのに辞められない自分が悔しかった。
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