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俺は練習の時に使っていた刀を手に堅く握って、イザイラの街と虚羅が住み着く“魔の森”とを遮る…高くそびえる城壁をくぐり、生まれて初めて外の世界にでた。
優『やってやる!!俺だってやれば出来るんだ。』
意気込む俺。
城壁と森の間は草木も生えない荒野が広がり、人や璽譜輸里(璽譜石の力で動き、人や物を運ぶ便利な箱型の荷車)が通った跡が延々と続いている。
俺はその通った跡を辿りながら、森に近づいていく。そこまで近づいていないに胸が凄くドキドキする。
森の目の前にまできた!!
森からは異様な空気と殺気が満ち溢れて、光が差し込まない森の奥は、より一層暗く…闇が広がっていく様に感じられた。
俺は恐怖を感じたが、それでも森の中へと入っていく。
虚羅と戦う恐怖と好奇心にかられながら俺は奥に進んでいく。
パキッ!!!
優『!!!!?…虚羅!!?…………………違った。ハァ…。』
些細な物音にでさえ、怯えてビクッとしてしまう。
自分がたててしまった音も虚羅と勘違いして、イチイチ反応して、いつもより激しく体力を消費してしまう。
汗がダラダラと川のように流れててくる。
歩く度に足がガクガクと踊ってしまう…もう歩けない。
俺はとにかく休みたくて適当に木の根のところで腰を降ろした。
優『はぁはぁ!!……疲れた。虚羅が出てこないのが幸いだな。』
と、まだ喋れる余裕があったけど…もうこんなところに長くはいたくなかったので呼吸が整えて、疲れが少し癒えるまで、その場にとどまった。
優『ふぅ。疲れが癒えたし…帰ろ。』
俺は腰を上げる。
ガサガサッ!!!!
帰ろうとした俺だが…どうやら帰らせてはくれない存在がいるようだ。
虚羅だ!!!それもたくさんいる。
虚羅『グルルル。』
優『クソッ!!!こんな時に……こうなったら逃げる。』
命の方が大切だ。俺は全力でにげた。
しかし、虚羅は逃してくれないようだ、追いかけて来た。
俺生き残れるのか!?
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