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……………。
ガヤガヤ。
……………………。
ガヤガヤ。ガヤガヤ。
…………………………。
え~。ただいま五分経過しました…。
優『先生…天丼、冷めますね。立ち食いでもしますか?』
率直な質問を俺はぶつけた。
白鳥『はいはい。馬鹿な事を言わないの。…て言ってもね。本当に座れる場所がな…あった!!ほらあそこ。』
優『本当だ。誰かに取られないように早く行きましょう。』
電光石火の如く俺と先生はその席に座った。
長い四角のテーブルの後ろに二つ並んで空いていたので先生と隣に座る形になった。
俺は先生と知らない生徒の間に座っている。
何か気まずいぞ…どうしよう。
額から変な汗が吹き出す。
知らない生徒はともかく無視出来るとして…問題は…先生だ。
部屋で変な事を考えた罪悪感が俺の心に深々と突き刺す。
痛い!!心が痛くなるよ…。
白鳥『さっさと食べるぞ。』
優『はっ…はい。いただきます。』
割り箸を割って、フタを開けると…湯気がモクモクと上がってくる。
まだ温かい。良かった。
俺は天丼を口へ運ぶ。
優『………うめぇ。旨い。』
白鳥『だろ?ここの食堂の味旨いだろ?私学生の頃から好きなんだ。』
先生が子供の様に笑っている。
多分、学生の頃を思いだしているに違いない。
優『そうなんですか?…俺もこの味好きにるかも。』
白鳥『かも。じゃなくて、好きになれ。』
優『ぶっ!!なんで命令されなきゃ行けないんですか!?』
白鳥『冗談に決まってるだろ?馬鹿だな。フフフ。』
子供じみた事を普通に言ってる…。本当に先生か!!?
白鳥『おい。ご飯粒落ちてるぞ。』
優『へ?えっ?…何処?どこどこ?』
白鳥『仕方ないなぁ。ほら手ぇどけろ。』
優『あっ!!いや!!自分で取りますって!!あっ……。』
白鳥『遠慮するなっての。つうか、ご飯粒落とすってまだまだ子供だな。』
いや。あんたがそんな事しますから、こっちが空回りするんだよ。
つうか、拾った粒口に運ぶなって…あっ!!食べた。
先生…あんたは俺の家族?もうちょっと俺の気持ち考えて。
優『すみませんね。まだまだ俺は子供ですよ~だ。てか、拾った粒食べてどうするんすか?』
俺は何故か泣きたくなった。神様…いるならこの状況をなんとかしてくれ…。
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