~第十九章~

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私『意外……』 華月『今回は優たちと一緒に此所から出ることだからな。殺しは入っていない』 ヘリスを静かに寝かせた白鳥華月は単調な声で言った。 華月『しっかしまぁ……剱をここまで痛めつけるとはな…』 私『十分に、痛めつけてから……消す、つもり…だったけど……ね』 華月『ほほぉ。さしずめ……謎の声の主に止められた、と言うところか?』 私『………そんなところ』 白鳥華月はソイツを知っているみたいな口振りで言うけれど、今は……放っておこう。 私『……まだ、かかる?』 ルナ『んー、……完全に胸を貫かれてるからぁ……5分ぐらいかも』 私『5分……』 怪我の度合いから考えればかなり早い。 優は背中から心臓付近の胸を完全に貫通する大怪我を負っている。 ……私を守るために――。 『悔やんでいる隙などないぞ、娘』 私『……どういう、意味? 姿の……見えない、名無し…さん』 『妙に釈然としない名前だが……まぁ良い。今から娘にも治療を行う。いいか?』 私『???……私、怪我……してない』 『それは見れば分かる。問題は娘が顔にかぶっているモノだ……』 私『……血?』 『ご名答。その血を洗い流し、少しばかり“毒”を抜く』 毒を抜く? 私がかぶったのは優と八雲剱の血……。毒が入っているとは到底思えない。 それなのに毒を抜く……。 私『貴方……言ってる意味が、分からない』 『ならば関節に述べよう。娘にとって、覚醒した神城優の血は毒なのだ………わかったか?』 何を言っているのかわからなかった。 優の血が毒? 覚醒……した優の血が毒? 見えない名無しは何を言っているの?
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