~第二十章~

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優『……………………』 俺は布団を静かに下ろす。 あれ……おかしいな。 起きたばっかりだから今のは目の錯覚に違いない。 よし、もう1度確認しよう。 ガバッ(勢い良く布団を持ち上げる音) ………バサッ(布団を下ろす音) 優『………も、もう1度………』 ガバッ。 バサッ。 優『……………え?』 ガバッ…………バサッ。 ガバッ………バサッ。 ガバッ……バサッ。 ガバッ、バサッ、ガバッ、バサッ!! 優『頭が2つ……黒紫と金色の頭が1つずつ』 何回も見たけど間違いなかった。 頭が2つ。 1つは予想通りだったけど、あと1つが……予想だにしなかった。 つうか、2人も上に乗っかってるのに何故か1人分の重さしか感じない。 不思議だ………じゃなくて! 優『どうしてルナが……?』 何故か姉ちゃんと一緒に布団の中に潜り込んでいるルナ。 姉ちゃんと同じく幸せそうに寝息をたてているのは別に構わないが、何故俺の布団の中に? そして、微妙にモゾモゾと動かれると……大変困る。 優『とりあえず……俺は出るべきだよな』 と言うことで、俺はベッドから脱出する。 人肌の温もりがなくなったのはちょっと寂しい気もするけど、恥ずかしさに比べればなんてことはない。 優『さてと……アイツを探すとしよう。おっと……足がもつれる』 俺はだいぶ寝ていたみたいだ。 たった1歩目から転びそうになるなんて……こりゃ、感覚を取り戻して元の状態になるには時間がかかるな。
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