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出口に向かって歩くものの、情けないくらいに遅い。
地面はゴツゴツ、石ころはゴロゴロしてて足場が悪いうえに、足元が覚束なくて壁づたいに行かないとすぐに転んでしまうとか……冗談抜きで情けない。
すでに3回も転んでるけどさ。
優『はぁ、はぁ……体が、キツイ。たった……20メートルが、はぁはぁ……はグゥッ!!?』
ズキッ――
き、傷が……、立って……られ、ない。
俺の意思とは反して、膝が折れ、両手を地べたにつけてしまった。
いきなり動くのはやっぱりダメだったか。
優『たかがこんな傷で……くっ……』
???『心の臓を掠(カス)める程のを“たかが”か……勇ましいな、神城優?』
優『……ちょうどいい時に来たな。お前に用があったところだ』
???『我にとは……どのような用件なのだ?』
銀色の長髪を月夜で煌めかせて出口兼入り口からやって来たコイツは腕を組んで「さぁ述べてみよ」と超上から目線で言ってきやがった。
優『あのあと……俺が刺された後のことが知りたい。そして、此処が何処なのかもな』
???『何故? お前は無事にあの男に勝ち、こうやって生きている……それだけで十分ではないか』
優『いや、知りたい。あの場にはまだ剱さんとかも居て、傍観者であるお前が武力行使するとは思えないし、何も知らない先生やルナがいきなり割って入ってきたとも思えない。……と、なれば、あとは姉ちゃんだけだ』
姉ちゃんが此処に、俺と一緒にいるんだ。
それは間違いなく……姉ちゃんは剱さん達と戦った。
そして、引き分け、もしくは勝ってる。
だけど……姉ちゃんを、また危険な目に合わせた。
守るべき者に守られた。
だから……
優『俺は知らなくちゃいけないんだよ』
???『……わかった。あの後から今に至るまで、全てを語ろう』
目の前にいる堕天使はゆっくりと口を開いた。
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