風が、ない。

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女の子達が出てきた。 皆、揃いのつなぎのような服を着ている。ヒロムは彼女を探した。すぐに見つかる。今日も綺麗だ。何もせず座っているのも妙だと思い、店の前の植木の枯れ葉を摘んだ。 女の子達は昨夜の合コンの話をしていた。ハズレだったらしく愚痴を溢している。その中のひとりが彼女を誘った。 「とわちゃんも行こうよ。」 ヒロムは心のなかで何度か呟いた。とわちゃん、と。彼女は適当に断って苦笑いした。その後、ヒロムのすぐ横を通り過ぎコンビニに入った。 「とわちゃん、か。」
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