風が、ない。

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俺はストーカー気質があるのかもしれないな。そんな風に思って自嘲し、枯れ葉を植木の根もとにそっと置いた。デニムの腿の部分を叩いて雑に手の汚れを払うと、立ち上がって伸びをした。通りの反対側に行き、店の方を見た。 ヒロムが最初に来た日のように、着物が風に吹かれて揺れていた。 店内が暗いせいもあるが、窓が汚すぎて中が見えない。 午後は窓拭きをしよう。ヒロムは店に戻ると框に腰掛けてそのまま横に倒れた。框は少しひんやりして気持ちよかった。
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